ADHD当事者の方はとても共感していただけると思うのですが、不注意が原因で時折とんでもない大失敗をしてしまうことがあります。
普通の方が想定できる失敗はすべて網羅してしまっているような状態です。
本当に色々あるので自分でも思い出せないものもあるのですが大失敗の一例をあげてみます。
- 学校で掃除中にぶつかり廊下中に消火器の粉をばらまいてしまう
- アルバイトで大型オーブンの取っ手を壊してしまう
- 立派なスーツを着営業マンにすごく濃厚なジュースをかけてしまう
- 仕事先を間違え、神奈川に行くはずが千葉に行ってしまう
などなどです。
大失敗を起こした後、もう絶対にこんな失敗はしない!と決意しても、後悔しても、自分を責めても、なぜかまた大失敗をしてしまいます。
今回は同じ大失敗を繰り返さないための対策方法を紹介していきます。
お金も、特別な機材も、とくに必要ありません。
必要なのは文字を書くツールがあれば、紙とペンでもスマホでも、パソコンでもかまいません。
それは自己分析シートをしっかりつくることです。
目次
効果的な自己分析シートの作り方
自己分析シートとはいっても反省を書くわけでも、自分を卑下することを書くのでもありません。
大失敗の後だとどうしても自分を責めがちだと思いますが、あくまで客観的に書いていきます。
書く内容は以下の4通りです。
- 事象(何が起こったのか事柄を客観的に書く)
- 原因(なんでそれが起こったのか)
- 問題点(事象によってどんな問題点につながったか)
- 対策法
分かりやすく項目について解説していきます。
こと
1.事象(何が起こったのか事柄を客観的に書く)
どのようことが起こったのか、事柄を簡潔に書いていきます。
この時、こうしたらよかった等の反省点や自分の気持ちなどは書きません。
改善点などは後で書いていくので、ここでは単純に事実だけを述べます。
2.原因(なんでそれが起こったのか)
失敗を起こした原因を書いていきます。
単に「気をつけていなかった」「頑張っていなかった」ではなく、具体的にどんな行動や事柄が原因だったのかを書くのが大切です。
3.問題点(事象によってどんな問題点につながったか)
これは意外と重要です。
大失敗をした時、迷惑をかけてしまったことの罪悪感で、気持ちが沈んでしまったり、パニックになったりしがちです。
起きた状況がどんな問題を生んだのか、冷静に考えられていないことがあります。
もしくは、私がそうなのですが、失敗が多すぎて「またか…」という自分へのあきれ、もしくは辛さから現実逃避をしてしまい、問題点をしっかり考えられないこともあります。
失敗をしたことで、誰に、どこに、被害が出て、その結果どんな問題があったのか、しっかり書きだす必要があります。
これは後で振り返る時にも大事な手掛かりなります。
ADHDは気分が変わりやすく、すっごく落ち込んでいたとしても少し経つと気分がよくなって落ち込んでいたことを忘れてしまうこともあります。
起こしたことがどんな問題をはらんだものだったのか、ここを見れば再度理解しやすくなります。
4.対策法
これは一番大事です。
書いてきたことをもとに、さらにどのようにしたら問題が起こらないようになるか、考えていきます。
ここも、「頑張る」「気をつける」など漠然としたことではなく、具体的に行動できる内容を書いていきます。
問題が起きそうなすぐ前に気をつける対策と、あらかじめ準備して問題が起きないように備える対策をどちらも用意すると良いです。
解決策は4点くらい挙げられればいいと思います。
自己分析シートを書いて終わり…ではない!
分析シートを書くだけで、ひと段落してしまいそうですが、むしろここからが本番です。
もう失敗を繰り返さないために、やることがあります。
まず、対策法の模擬練習です。実際また問題が起きた時を想定して、考えた対策をエアギターならぬエア練習します。
これは仕事ができない悩み ~ADHDだが職場を変えられない場合~
で書いた模擬練習の内容と同じです。
想定しながら実際に練習することで自分の動き方を体に覚えさせることができます。
そしてもう一つあります。それは自己分析シートを見直すことです。
過去のことは徐々に記憶が薄れていってしまいます。
対策まで考えたのにまた同じ失敗をしては意味がありません。
見直すタイミングは、できれば朝、通勤・通学中や朝の仕事・勉強などの前だとなおいいです。
見てから「気をつけて取り組もう」、と意識できるためです。
実際に行動を起こすことが大事
自己分析シートをやろう、と思っても、仕事の必要な書類でもないし、めんどくさい。。とついつい後回しになりがちだと思います。
ですが、失敗した時の代償を考えてみてください。
自分も傷ついて、色んな人に迷惑をかけてしまい、信用を失うことにもつながるかもしれません。
自分を対策できるのは周りではなく、自分しかいません。
ぜひ、失敗をあきらめる前に取り組んでみてみてください。
今回は解説メインになってしまったので、次回は私が実際起こした失敗をもとに自己分析シートを乗せてみようと思います。
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