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ADHDの人は視野が狭くなりがち
ADHDの方は、複数のことを同時にできないこと、視野が狭く広範囲に注意を向けられない等が特徴としてあげられます。
私の場合、学生時代では病院のリハビリ室の手伝いのアルバイトをしていましたが、たくさんの雑務をすぐ忘れてしまったりで上手くこなすことができませんでした。
理学療法士の方に聞いた注意力の鍛え方
あるときの飲み会で同じ職場の人に相談したことがあります。そのとき聞いた話です。
「同時作業を鍛えるのには料理がいいっていうけどねー。」
ポロっと出たその言葉に疑問を持ちました。
料理?何で?
「複数の料理を同時に作ることで注意が分配できるからねぇ」
まさに思いつきもしない方法でした。
相談した方は理学療法士であり、脳の構造に詳しいため、説得力がありました。
それから実家暮しではありましたがこれを検証してみたいと思い、料理をするようになりました。
実際に自炊をして注意力を検証、気が付いたこと
ですがやはり注意を分配するのが苦手なもので同時に3品では上手くいかず、どれかを忘れてしまい、火をつけっぱなしになってしまう、等で危険であったためできませんでした。
最初は1、2品を作るのが精いっぱい。
でも、これでも色々気がつくことがありました。
物をすぐどこかにおいて分からなくなってしまう
まず、調理器具、調味料を使った後、どこに行ったか分からなくなってしまうこと。
ADHDの傾向でよくあることなのですが使ったものを戻さず、ひょいっとどこかに上げてしまい、短期記憶が苦手なため、どこに置いたか忘れてしまうのです。
調理場の汚し具合がひどい
そして、料理をすると周りをひどく汚してしまいがちになってしまうこと。
こぼしたり、落としたりが人の倍以上あるため、切っていた人参のカス、使った小麦粉がこぼれた後など、ひどい状態になってしまいます。視野が狭くこぼしていることにその時はさほど気がつかなかったりします。
料理手順の不器用さ=優先順位をつけることの不器用さ
そして、作る手順です。
優先順位をつけて作業することが苦手なため、これを鍛えるのにもうってつけでした。
ある時は野菜を切るのに1時間ぐらいかかってしまい、食事が遅くなってしまったり、
また2品同時に作るとどの作業からやったらいいか、上手くわからず右往左往しているうちに普通の倍以上かかってしまったり、
いれるはずの砂糖をいれ忘れてあとで気がついたり、、
料理を続けていって改善してきたこと
ですが、続けていくうちに、少しずつ、少しずつですが上手くなっていきました。
ふとした時視野を広げられるようになった
まず、調味料、調理器具をどこかにやってしまう癖、
これは完全にはなくならないのですが、
ふと気が付いたとき、回りを見渡して散らかっているものを片付けるようになりました。
少し片付けると、視覚情報が少なくなり、他の忘れていたことにも気がつけるようにもなりました。
これにより、仕事場でものを忘れてくることがとても減ってきました。
以前は出張先で忘れ物が多買ったのですが、一回り見渡して忘れていたものを発見し、回収できるようになりました。
散らかし汚しも最終的にはきれいにするよう気が付けるように
また、回りをひどく汚してしまうこと。
これも完全には治りません。ですが、終わったあと、回りを見渡して、汚れていることに気がつき、掃除までしっかり出来るようになりました。
恥ずかしいことですが始めは汚しっぱなしで母親にひどく怒られました。
掃除することが習慣になったことで、台所回りが清潔になり、大掃除のときにこびりついてとれない!ということにもなりませんでした。
並行した作業が少しずつできるようになる
そして料理手順です。今まで、片方途中までやって他の作業に移ってしまうと以前の作業を忘れてしまう、というのことが多かったのですが、ちゃんと覚えていてもとの作業に戻れるようになりました。
そして、並行して料理を作れるようになり、すべて同時に完成して、出来立てを食べられるようになりました。
これのお陰であるのか、仕事でも平行作業が少しずつできるようになってきました。
治らない症状、成長できるようになること
ADHDの症状自体はは治る、わけではありません。
ですが上手く対応できるようになる、という点で、料理はとてもいい練習場であることが分かりました。
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